アダム・スミス 堂目卓生著

あなたは賢者として生きますか?それとも愚者?

 

今回は堂目卓生著の『アダム・スミス』のレビューします!

 

ちなみに著者の名前は どうめたくお と読みます。

どうにちたくおと読んでいたのは内緒です。

 

アダムスミスとは、教科書にも出てくる経済学者、哲学者で知っている方も多いと思います!有名なのは『国富論』や『道徳感情論』ですよね。

一般には『道徳感情論』が『国富論』の思想的基礎として考えられていますが堂目さんは『道徳感情論』と『国富論』が一連のものになっていると解釈しています。

 

 

本書は『道徳感情論』と『国富論』の二部立てで進められています。

この記事は一部の

道徳感情論』の世界

をレビューをまじえ、まとめました!

 

・胸中の観察者

・評価の偶然性

・スミスの幸福論

この三つの考え方と共に進めていきます!

節の名前ではないのでご注意ください。

できるだけ簡潔に、わかりやすく書きます!!!

 

 

 

胸中の観察者

 

胸中の観察者とはなんぞや?と思いますよね。

これは簡単にいうと自分の中の道徳感情と言い換えることができます。

 

喜んでいる人を見ると自分も喜んだり、悲しんでいる人を見ると悲しくなりますよね。

いわゆる同感です。こうした同感を積み重ねることにより胸中の観察者がさらに成就します。

 

成就した胸中の観察者は仮に本心でなくとも、場の雰囲気に合わせ感情をコントロールしようとします。

 

例えば、お葬式の場で他のことが気になり悲しい気持ちにならなくても、その場にいる他の人が泣いていたら出来るだけ悲しい気持ちになろうとコントロールします。

簡単に言うと空気を読むということですね。

 

大人になるとなぜ空気を読むのか。それは胸中の観察者が成就しているからと『道徳感情論』から読み解くことができます。

 

 

評価の偶然性

 

なかなか聞きなれない言葉ですが、生きている中でよくある場面なので理解は簡単です。

 

意図して良い行動をとり、世間から賞賛される。

反対に、意図して悪い行動をとると世間から非難される。

当たり前のように思えますが、後半部分を入れ替えてみましょう。

 

意図して良い行動をとったが、結果が伴わず、世間に悪影響となり非難される。

意図して悪い行動をとったが、世間に知られず、非難されることはなかった。

 

こういったことも十分に考えられるはずです。

 

 

例えば友達の誕生日にケーキを買ってあげたが、その子は卵アレルギーで食べれなかった。

節約のために万引きしたが、バレなかった。

 

他にも行動の意図と結果が伴わないことはいくらでもありますよね。

こうしたように、評価というのは偶然によって左右されることがしばしばです。

 

この時、胸中の観察者は、動機を知っているので結果が伴わずとも行動そのものを評価します。

 

良いと思って行動したのだから落ち込むことはない。

悪いと知りながら行動したが非難されなくても反省しなければならない。

 

こういったように、人はしばしば世間と胸中の観察者の両方の評価の板挟みになることがあります。

 

この時、どちらの評価を重視するかで「賢者」と「愚者」に別れるとスミスは述べています。

 

良いと考え行動したが結果が伴わず、評価されなかった場合。

賢者は、胸中の観察者の良い行動に対する評価を重視し、愚者は世間から評価されなかったことを重視します。

 

悪いと思って行動しても非難されなかった場合。

賢者は行動に対して評価し、愚者は世間に知られなかったことを重視します。

 

賢者と愚者は重視する評価が正反対ですが一つだけ完全に一致する場合があります。

かなり重要なので、僕を通してでなく、堂目卓夫さんから学んでいただきたいので本書をご覧ください。p46から詳しい記述があります。

 

 

スミスの幸福論

 

幸せとは何か、幸福とは何か。

一度は考えたことがあると思います。

スミスの幸福論とは、結論から言うと

「健康で負債がなく、良心にやましいことがない状態」と言います。

 

一般には、幸福は財産、名誉によって築かれると考えられていますが

スミスによるとそれは愚者の考えです。

 

 

財産に対する野心が不幸にし、やっと財産を築けた頃に寿命くる。そうして財産はただの愛玩具に過ぎないと気付く。

 

 

この考えにはハッとしました。

享楽を忘れ幸福のためにと財産の形成に勤しんでいたら、築けた頃に寿命がくる。これでは本末転等ですものね。

 

もちろん生きる上で富は必要ないと言っているのではなく、むしろ、「健康で負債がなく、良心にやましいところがない」状態になるために最低限必要です。

 

 

しかし富はある一定を超えて意味をなさなくなります。

気になった方は是非、本書へ。

 

 

こうして、賢者としての生き方を推奨する一方で、愚者こそが社会を繁栄させていることも認めています。

愚者は幸福のために消費を重ね、そのことが経済を回し、社会を繁栄させる。

 

道徳から経済につなげるあたりはやはり経済学者ですね。

 

 

 

本書はアダムスミスを題材としているため難解なものになっていますが、アダムスミスを考えるのなら必読と思います。

 

また、『道徳感情論』や『国富論』を読んだことがなくとも、一から説明してくれるので、これからアダムスミスを勉強したい人にもオススメです。

 

以上、堂目卓生著『アダム・スミス』のレビューでした!

 

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